2月19日(水)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.218~より良い社会をめざして~
テスト期間、生徒は目の前のテスト問題に挑戦するが、教員は教員で担当科目の問題作成や山ほどの採点に臨む。これが結構大変で、採点ミスのないよう集中力と根気が必要となる。デジタル採点の導入により幾分効率的にはなったが、最終的には人の目が決め手になる。
そんな忙しい中ではあるが、資質向上とより良い生徒指導に向けた研鑽のため、本日、同和問題に関する教職員研修を開催し、多くの教員が学ぶ機会を求めて参加してくれた。
講師に大阪教育大学名誉教授の森実先生をお招きし、最近の差別事案やこれまでの同和教育、差別意識についてご講演いただいた。森先生は1984年に大教大に赴任された。当時19歳の私の入学と同じ年にあたるということで、勝手にご縁を感じている。たくさん発表資料をご準備されていたが、想いも強く、時間をとって語っていただいた。また、私たちに考える時間を与えてくれるなど、実践的な講演となった。
先生もおっしゃっていたが、数十年前と今では学校における同和教育の扱い方が異なる。要は「学ぶ機会」があるのかないのかという根本的なところが違うので、「当たり前に知っている」のと「そもそも知らない」というギャップがあるのだ。そのキャップが吉と出るか凶と出るか、その点も踏まえて「寝た子を起こすな」議論について、様々なワークができたと思う。
特に印象的だったのは、経験の浅い教員が積極的に発言していたこと。また、皆、様々な意見や提案を絞り出していたとが嬉しかった。それだけ主体的に考える、取り組むことについて、生徒に示せる時間であったとも言える。
「寝た子を起こすな」論とは違うが、「知らないから触れない」論は歓迎できない。森先生も知らないから教えられない、ではなく、「共に学ぶ」気持ちを持つことが大事だと。止まる、避けるではなく、お互い学びながら少しでも良い社会をめざしたい。
同和問題に限らず、世の中には根拠のない差別が後を絶たない。学校教育はそれをなんとかできる大きな手段。関わる一員として、できることはしたい。そして、人を気遣える人間、困った人に声かけできる人間を育てたい。Make it Kozy!強く優しく、高津生!
ちなみに、一昨年は水平社設立100周年の年でもあったので、その年の12月に、一人で「水平社博物館」を訪れた。地域のあちこちに関係の方々が『闘った』跡が残されている。本日は、その博物館に展示されている、THE BLUE HEARTSの名曲「青空」の歌詞のサビの部分を紹介する。ご存じない方は、ぜひ一度聴いていただき、差別のない社会や平和について考えていただきたい。
生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのだろう
運転手さんそのバスに僕を乗っけてくれないか 行き先ならどこでもいい
こんなはずじゃなかっただろ?歴史が僕を問い詰める
まぶしいほど青い空の真下で 青い空の真下で 青い空の真下で