12月23日(月)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.188~国内外からの刺激~
朝の通用門、3名の女子生徒が「M-1見た?」「見た見た!」と会話しながら登校する。「見た見た!」と私も横入り。「バッテリーズ面白かったですよね?」「おもろかったなぁ」と同意する。優勝はできなかったが、バッテリーズのエースは大阪府立高校出身。同じく府立高校に勤める私としても、府立高校卒業生の活躍は実に嬉しい。今後の大活躍を期待する。
さて、そんなこんなで、気がつけば、12月23日。全く年末という感覚がない。そういえば、昨年の年末らしい記憶がないなと思って振り返ると、そうそう、昨年は前任校で台湾の高校との姉妹校提携とASEP参加のため、12月23日から一週間、生徒の引率だった。道理で日本の年の瀬の記憶がないはずだ。
初めて行ったクリスマスの台湾は、ホテル近くの公園でクリスマスフェスティバルが開催されていたこともあり、想像以上に賑やかだった。それよりも何よりも驚いたのが、バイクの数。交差点で信号が青になるのを待つ間、平日の日中であれば、冗談抜きで50台以上のバイクがオートレースさながらにランダムにスタートを待つ。青になった瞬間、エンジンをふかす音とともに、横の車を置き去りに全員がスタートする。その後姿を車が追いかける、という感じ。歩道の一部もバイクの駐車場になっていて、交差点の端から端までバイクで埋まっている光景は、少々狭いが、圧巻でもある。また、姉妹校のPTA会長に、近くの屋台やマーケット、少し離れた光り輝く港に案内していただくなど、台湾の親日家の多さを実感した。
さて、高津高校は、毎年、SSHの取組でとして「台湾サイエンスツアー」を開催。コロナ禍で一時休止したが、この25日(水)から四日間のスケジュールで実施。台湾第一高級中学と台湾女子高級中学と連携して、河川の調査を行う。台湾の生徒たちの学習意欲はとても高く、学ぶ姿勢は見習うべきところがある。参加する高津生には、他文化理解とともに、大きな刺激を受けて成長してほしい。
一方、国内宿泊研修としての「種子島・屋久島サイエンスツアー」も明日24日(火)から三日間で実施。宇宙開発や生物多様性について学ぶために、種子島では日本最大のロケット発射施設を見学し、世界自然遺産の屋久島ではフィールドワーク、小型望遠鏡での星空観察を行う。こちらも、こういう機会がないと、自分たちだけではなかなか行けない場所。大いに刺激を受けて、充実した研修にしてほしい。
選択次第で様々な刺激や学びが経験できる。これも高津高校の強みであると感じる。今しかできないことを、目の前にある経験を大切に。Make it Kozy!五感で学べ、高津生!
異郷にて 五感をフルに 尖らせる
ちなみに、今年の私は、日本の年の瀬を五感で味わう(味覚第一!?)ことにする。
12月21日(土)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.187~科学で交流~
本日は、午前が科学実験講座、午後が中学生研究発表会の2本立て。昔はリバイバル映画の2本立てがあちこちで上映されていて、800円で見られる映画館もあった。小銭を握りしめてよく見に行ったものだ・・・と懐かしの余談はさておき、今回は小中学生が参加する科学実験と、中学生が日頃の研究の成果を発表するイベントで、手前味噌だが、皆が成長する素晴らしい機会だと自負している。
科学実験講座は、12月7日(土)に続いての第2回。今日も、我が科学部の猛者たちが、小中学生に科学の楽しさを伝えようと熱く待ち構えている。保護者の方々も、高津生に興味津々で、高校進路選択の話や学力の話を高津生と語り合っておられる。高津高校の教育の一端に触れていただければ、それもありがたい。
実験は「缶サット」。「缶サット」とは、「空き缶」の「Satellite(サテライト、人工衛星)」という意味。ロケットを打ち上げた後、パラシュートをつけた「缶サット」が無事に着陸するまでを競う大会もある。本日は、火薬での打ち上げは不可のため、パラシュートを製作し、体育館の2階ギャラリーから落とす。着陸までの時間(3秒に設定し、3秒に近い方が高得点)、着陸時の状態(立っているか否か)、着陸と同時に風船が割れるか否か(割れれば高得点)で競い合う。
参加した子供たちは、担当の科学部員のアドバイスを受けながら、様々な工夫を凝らす。その作業に集中する目はキラキラして、実に美しい。その好奇心や学びに向かう気持ちを持ち続けてほしいと思う。途中、体育館で試行し、時間や立ち方を確認、工夫を重ねる。いざ、本番。緊張しながらも、自分で作った「缶サット」の出来栄えに自信や不安が覗く。成功も失敗もあるが、それも今の自分。今日の気づきを次に活かしてほしい。数日前に、串本中でロケット「カイロス」が見事に発射。が、数分後には、達成困難のため、飛行中断措置を選択。誠に残念だが、町の方々は、発射できたことに「感動をもらった」「何度でも挑戦してほしい」「最後に成功すれば、今回も失敗とは言わない」と、自分たちの夢である、と笑顔で応援していた。
午後の中学生の研究発表会は、本校すぐ近くの高津中学校をはじめ、大阪北部から摂津第一中学校、南部からは信太中学校、そして私立の金光大阪中学校、四天王寺高校の5つの中高が参加してくれた。摂津第一中学校からは、11の発表。各校それぞれレベルの高い研究で、高校の探究活動に匹敵する内容。参加校の生徒たちも高津生も、お互いに十分刺激を受けたようである。自分たちだけの研究は自己満足に終わることもあるため、他者に発表してどれだけ理解してくれるか、納得してくれるかが大切で、発表の仕方も学べたと思う。
参加者の皆さん、年末のあわただしい時期、とても寒い時期に、高津高校にお越しいただき、」ありがとうございました。皆さんの、その好奇心や探究心、さらに深く学ぼうという意欲が、今後ますます高まることを期待しつつ、その学びを実現できる高津高校に入学してくれれば実に嬉しいことである。今日の刺激を明日の糧に頑張ってください!
高津高校科学部員たちも、終日ありがとう!教えることの難しさ、学び続ける大切さを実感したと思う。校是「日新日進」をあらためて認識して、謙虚に取り組もう。Make it Kozy!頑張れ、高津生!
探究の ヒントはいつも すぐそばに
12月19日(木)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.186~芸術の「冬」~
しんしんと・・・という表現がぴったりくる冷たさがしみる本日、毎年恒例の「芸術文化発表会」が開催された。体育館では、1年生の「音楽」選択者による合唱をはじめ、アンサンブル部の演奏とともにセリフや独唱で贈るミュージカル「レ・ミゼラブル」に、ピアノの独奏、最後はアンサンブル部と吹奏楽部のコラボによる、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」。それぞれ授業や放課後の一生懸命な練習が伝わるコンサートとなった。なかでも、独唱や独奏は、大勢の観客の前で緊張するだろうし、合唱のピアノ伴奏も緊張したと思う。
それでも、小さい頃から培った腕の見せどころとして、立派に力を発揮したと思う。合唱も、米津玄師の「地球儀」に、Mrs.GREEN APPLEの「僕のこと」と、結構難しい選曲にも関わらず、適度な大きさの声とハモリで心に伝わった。合唱の最後は、高津高校の校歌「朝霧」。日頃、歌う機会も少なく、もっと歌ってほしいというのが、私の想い。今日は、特に心を込めて歌ってくれたので、感謝。涙腺も少々緩んでしまった。保護者の方もたくさん来られて、静かに耳を傾けておられた。舞台のお子さんまでの距離は相当あったが、しっかりと美しい歌声や演奏を受け取っていただいたと思う。
さて、芸術は「音楽」ばかりではない。科目としては、「書道」「美術」がある。それぞれの選択生徒による作品も校舎内に丁寧に見やすく展示。
「書道」は、「自分自身の言葉を書く」。今の気持ちを素直に書いたものや、思いがけない発想もある。誰が書いたかは定かではないが、「受容すべきは一時の後悔、回避すべきは一生の後悔」とある。つい、ふむふむと頷いてしまう。「気が付けばもう冬 明日からは本気出す」・・・、今日からね。「私の最大の敵 とまらない物欲」・・・味方につけたら最強だ。
「美術」の展示もデッサンに水彩、ポスターもある。なかでお個人的に気に入ったのが、「WARMING!」(写真あり)。「警告!」と「地球温暖化」とをかけて実にうまく整っている。デザインとの相性も良い。先の「書道」の3名と合わせて、書いた(描いた)生徒は、もしこのブログを読んでいたら、ぜひ私に名乗り出てほしい。キットカットを一つあげる(せこいな、汗)。
・・・と、生徒のことを考えていたら、校長室をノックする音。一人の生徒が顔を出し、「すみません、どこから出たらいいんですか?」と聞く。そう、高津高校は、夜になってある時間が過ぎると、外からの侵入を防ぐため、内側からしか校舎を出られない。それも、1階は、鍵がないと内側からも出られないのだ。それを知らぬ生徒が迷うのも道理。「こっちおいで!」と脇の扉を開ける。「勉強はどうや?」と聞くと、「DDがヤバいです」と言う。「DD」とは「ディベートディスカッション」の略。生徒にとっては、実践的な英語はやはりハードルが高いようだ。「寒いし、暗いから気ぃつけや!」と送り出す。「はい」と素朴な優しい声で「さようなら」と言う。
実に寒い一日だったが、最後まで生徒の温かさに触れた、充実した一日だった。Make it Kozy!やるときゃやるよ、高津生!
生徒らの 熱気はある種 防寒着
余談だが、最近、家のPCの調子が悪く、その日付でブログを更新できないことが多い(謝)。今日は自習室当番ということもあり、本日中に更新できた・・・なぜか不思議な達成感(笑)。