9月10日(火)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.121~労を惜しまぬということ~
文化祭の余韻もどこへやら、生徒たちは、素の顔で登校する。見事な切り替え。また、2学期制の本校は、9月末に期末考査がある。日頃の授業での学びの成果を試す良い機会。
学力向上が、学校の求められる肝だが、人間力の育成も学校の使命。高津高校が掲げる、生徒が身につけるべき能力は、『強靭な知性』『みずみずしい感性』『品格ある人間性』の3つだが、社会で生きて行くのに「人間性」が大切なのは、やはり、周りの人と協力しなければならないからだ。
人と話すときには相手の目を見て話す方が伝わるし、相手の話をただ聞いているよりは、相槌や頷きを伴う方が良い。人から事を頼まれた時に、嫌な顔をして仕方なく引き受けるよりも二つ返事で快く引き受ける方が感謝の度合いが違う。そんな細かな一つ一つの行動が信頼を得ることにつながる。
なぜ、こんな話をしたかというと、文化祭の時に、一人の保護者の方が、「場所がわからなくて生徒さんに尋ねた時に、ただ場所を教えてくれるだけでなく、わざわざその場所まで連れて行ってくれるんです。それが、たまたまではなくて、いつもそうなんです。そんな生徒さんを育てていただいてありがとうございます!」と、私に話してくれたからだ。その話を受けて、めちゃくちゃ嬉しかったのだが、一方で、「育てていただいて…」という実感がない。よく、子どもが悪さをしたときに「親の顔が見たい」と言われるが、ホントに親のせいか?と思うこともよくある。逆に今回のことも、たまたまその生徒の心根がよく、現地まで案内したかもしれないので、「はい、そうです。私たちが育てています!」などと、家庭菜園のプチトマトのようには軽々しくも言えないのだ。
ただ、校内に「人に優しい」空気が漂っていることは確かで、教員が生徒に話しかける様子を見ていると、決して、上から目線ではなく、どこか温和な語り口だし、逆に生徒が質問する時には、実に素直な感じであるので、見ていて「安心できる」人間関係を感じる。
赴任してわずか数か月の私が言うのもおこがましいが、それが、『自由と創造』の校風がもたらすものであることは確かである。ただ、その生徒自身が、言葉だけでなく、一緒にその場所まで案内するという「労を惜しまぬ」人間となったのは、「育てていただいて…」という感謝の心を持つ親後さんの方々の気持ちが伝わっていることの証でもある。学校にできることとご家庭でできること、それぞれが同じ気持ちで歩めれば、どちらにとっても『鬼に金棒』である。
自分がされて嬉しいことをしよう!Make it Kozy!高津生!
若人を 優しい鬼ら 見守りて
9月9日(月)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.120~勝利の女神?~
昨日は、元々は台風上陸で延期になった硬式野球部の秋季大会に応援に行くつもりだったが、開始時間が午後に変更されたため、私用のある私の都合が悪くなった。変わって、男子バスケットボール部の2回戦(vs吹田東高校)が近くの信太高校で11時過ぎからあるというので、時間の許す限りとそちらの応援に行った。
到着すると、バスケ部の3年生や保護者の方がギャラリーいっぱいになって応援している。試合は始まっていて、10-7で勝っている。嬉しいことだが、少し前に高津高校でのゲームの応援に行き、勝っていたのに後半勢いのままに逆転されたことを思い出し、(待てよ。せっかく勝っているのに、私が来たことで逆転されたらあかんがな、勝利の女神という顔ではないが、疫病神になっては申し訳ない…)と、全く根拠もないのに、一瞬弱気になってしまったが、(たかが私のような親父一人が試合を左右するものではない)と気を取り直し、扇子を振って応援した。
私の心配をよそに、第一クォーターはリードして終えたが、第二クォーターが始まり、急に雲行きが怪しくなる。相手はどんどん得点を重ねるのだが、こちらは開始5分が経っても、得点が動かない。バレーボールも勢いがつけば止まらないが、バスケットボールも同じだなと感じつつ、応援を続けたがリードを許す(28-33)。
やっぱり私がいない方が良いのでは?いや、相手ができるのなら高津もできる、と複雑な思いでいると、第三クォーターはこちらの勢いが増して逆転。追いつかれそうになるが、そのまま僅か2点のリードを保って残り2秒となった。(守りきれ!)とギャラリー全員で祈ったが、ガードをこじ開けられ同点に!
午後に用事があった私は、もう帰らねばという気持ちと、応援したいという気持ちで迷ったが、何より、これからも私が応援に来ても許されるよう、勝つ姿を見たいという気持ちが勝り、延長の5分をしっかり応援した。
延長戦は、こちらのリズムが良くなり、確実に点数を重ね、一時は6点をリードして安心しかけたが、相手も必死に食らいつき、残り7秒で1点差。さっきの同点のシーンがよぎる。耐えろ!という、皆の願いが今度は通じた。76-75、粘りの勝利。
というわけで、「私が応援したら敗ける」というジンクスは瞬く間に消えた。これから「勝利の女神、いや、勝利のゴリ神」として、遠慮なく応援に行ける。おめでとう、そして、私のためにも勝ってくれてありがとう!次は15日に強豪私学、大阪高校との対戦。残念ながら、私は学校PRの仕事で行けないが、頑張れ、高津生!
ちなみに、当初予定していた硬式野球部は、残念ながら千里高校に敗退。これはこれで、応援に行けなかったことを悔いる。部員たちよ、次に向けてポジティブに取り組もう!
他に耳にしているところでは、サッカー部の大阪総合体育大会1次予選。2回戦は佐野高校と対戦し、6-0で勝利。こちらもおめでとう!次の勝ちをめざして精進!
実は、夏休みには、水泳部の50m平泳ぎで、1年生2名が決勝に進出し、そのうちの一人が10月の近畿大会への出場が決まった。やるなぁ、1年生。おめでとう!
私の耳には届いていないが、他にも頑張っている生徒ばかり。身体が幾つあっても足りないが、嬉しい悲鳴である。Make it Kozy!今しかできないことを。身体と記憶に刻もう、頑張れ、高津生!
夢追いて 目の色変える 残暑かな

9月7日(土)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.119~CAN MAKE KOZU②~
高津高校文化祭2日目は、昨日の流れで開催するため、演技やダンスを披露するグループ以外は、大きな準備もなく、登校時間もいつもの時間と同様。ただ、予定にはなかった2日目のオープニングを行うという。初日同様、自クラスや自グループのPRをメインにお客様に声を届ける。司会も2日連続で少々疲れ気味だが、みんなのためと一肌脱ぐ。
2種類の「高津パン」は、本日も大盛況。皆さん、昨日の情報をキャッチしたからか、オープニング終了後に買いに走ったが、すでに売り切れだった。いやいや、身内が買うよりもやはり来場された方優先が道理。この暑い中、来ていただくだけでも感謝である。今日土曜日は、中学生もたくさん。来年以降の受験を検討してくれていると思うが、オープンキャンパスも良いが、実査の行事を見ていただくのが一番。自分が高津生として、この空気の中で過ごすことをどう感じるか、その実感を大切にしてほしい。
そういう点では、昨日はあまりお客様が少なかった化学実験室だが、本日は、あふれんばかりの中学生とその保護者の方が教室に滞在。お目当ての「粉塵爆発+炎色反応実験」を興味津々で見つめる。この刺激が知的好奇心を深める。ぜひ高津高校へ!
茶道部は、ピロティにてお点前を披露。周りの音楽や歓声をよそに、この空間だけに静かでゆったりとした時間が流れる。外部の雰囲気をさえぎり、うまく環境を整えている。自然と姿勢が良くなる。
食堂兼クリエイティブ・ラボでは、外部機関にお越しいただき、「骨密度測定」を実施。私も肉密度は高いが骨密度はどうだろうかと行ってみると、結構な人数が並んでいる。わざわざでなくとも、一瞬で測定できるならと、年齢を問わず、測定している。いざ測って見ると、平均よりも少々低め。血圧は低い方が良いが、骨密度は、20歳をピークに落ちるばかりで、あまり低いのは歓迎しない。明日から、いや、今日から、牛乳にヨーグルト、チーズを積極的に食べるようアドバイスを受けた。
さて、体育館講堂では、2年生クラスを通信に演劇が主力。「名探偵コナン」に「シャーロック・ホームズ」と推理ドラマはなかなかの仕上がり。残念ながら、「君のHEARTにPUNP UP」と「ザ・バチェラー」は時間の都合で見られず。午後も、高津名物「K-1グランプリ」の審査委員長を依頼されたため、講堂のダンス部と演劇部は見ることができなかった。残念。
「K-1グランプリ」は、昨年度優勝の『穴掘り少年隊』が連覇なるか、残りの4組が一矢報いるかという図式。TV恒例の「M-1」さながらの司会に「笑神籤(えみくじ)」ガールが花を添える。トップバッターの「あぁ綿毛」が緊張しながらも、場の空気を盛り上げる。コメントでも述べたが、役割がはっきりしてわかりやすい漫才。いわゆる笑う準備のできる漫才でトップバッターであることを差し引けば、十分に合格点(実際、私はこのコンビを選んだ)。
あとは、時間の関係で話せなかった全体の感想を。
2番手「バンリの頂上」は、個性のあるしゃべくり漫才で、昭和の懐かしさも少し漂う漫才だと感じた。3番手「男バレ」は、テンポが良く、話に入りやすかったが、一つ一つの笑いの大きさが少し足りなかったようだ。4番手野球部コンビ「インコース高め」は、さすがに緊張して、上手く自分たちの漫才ができなかった感がある、悔しかろう。トリを飾るのは前回王者「穴掘り少年隊」。昨年はしらないが、さすが見事な流れるようなしゃべくりで、一つ一つが計算された笑い。昨年王者というのが納得できる、安定した漫才だった。
それくらい「穴掘り少年隊」は明らかに上手だったが、結果、私は「あぁ綿毛」を選んだ。それは、あくまでも主観だが、連覇ということを考えると、もう少し爆発的な笑いが欲しかったから。「あぁ綿毛」は、粗削りだが、一瞬一瞬に爆発的な笑いがあったので、安定した連覇を選ぶか、笑いの強さを選ぶかで迷って、後者を選んだ。
企画的には、それぞれ審査員票を2票ずつ獲得し、観客の皆様に選んでいただき、「穴掘り少年隊」の連覇となった。笑いの数で勝負すれば、やはりと納得する結果だった。審査員の主観より、観客の皆さんの総意で選ばれたので、一番いい形で合った。それぞれ本格派をめざし、よく練習したということが伝わってきた。というわけで、このブログを読んで、最初の挨拶で「言うとくけど、お笑いにはうるさいよ!」と言ったわけがわかってくれたと思う。5つのコンビよ、お疲れさん!
しかし、高津の文化祭は、見るものが多く、あっちに行ったりこっちに来たりと、忙しさもあるが、すべてを見学するのはスケジュール的にきつい。生徒の頑張っている姿は見たいが叶わずということがままある。開催前の「校長先生、来てくださいね!」の声が蘇ってきて、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。すまん、思わず骨密度を測ってしまった私を許せ!
さて、その骨密度を測ろうと並んでいる時に横に座った保護者の方や、中庭で「校長先生ですか?」と声をかけてくださった保護者の方など、胸に提げた名札を見て、声をかけてくださる方もたくさんいて、実に温かく、フレンドリーで心地よい。そして、そのあと、決まって「毎日ブログ読んでます!」とおっしゃるので、これまたテンションが上がる。中には「先生のブログのネタで、子どもと会話してます」とも話してくださる。
実は、私はそのために書いているようなもので、私の薄い話など翌日には忘れ去られるものだが、それをネタに、親子で会話していただいたり、生徒同士、教員同士、果ては、中学生の親子で会話していただければ、私のミッションはコンプリートされているのである。私にすれば、少しは高津高校のPRになれば良いという想いもあるが、最も大切なのは、人と人とのコミュニケーションである。「アホな校長やなぁ」と一笑されるのも覚悟のうち。ぜひぜひ、アウトな書きぶりがあれば、苦情申し立ても大歓迎だ。恥ずかしながら、失敗だらけの人生、今更失敗が一つ二つ増えようが影響はない。え?一つ二つではない?わかりました。反省は、昔のサル芝居のお家芸、ゴリラの私も得意である。
さてさて、高津生。君たちの得意は切り替えの良さ。この2日間、新しい一面を見せてもらった。それゆえに、来週からの君たち、ストレスを飛ばした君たちと会うのが実に楽しみだ。Make it Kozy!これからもよろしく、高津生!
楽しいを 創ってわかる 一体感 自由と創造 広がる未来
最後になりましたが、PTAの皆様には、この2日間、猛暑の中、文化祭を盛り上げていただき、本当にありがとうございました。今後とも、高津高校の教育活動にご理解、ご協力をいただきますよう、また、一緒に子供たちの成長を喜び合えるよう、「チームKOZU」として、よろしくお願い申しあげます。
また、お忙しい中、ご来場いただきました皆様方にも、高津高校の表の顔をとくとご覧いただけたかと思います。今後とも、ご協力、ご支援賜りますようお願い申しあげます。
【おまけ】何と、本日、ドジャースの大谷選手が、HR45号、盗塁45個(ついでに46個目も記録)の、メジャー初の45-45を達成したとのこと。歴史的快挙のめでたき一日、さらに記憶に残る高津高校文化祭の日となりました。
※本日も写真をどうぞ!








