9月19日(木)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.127~期末考査~
2学期制の本校は、本日から前期の期末考査。決して長くはない夏休みを挟んで、これまで積み重ねてきた範囲がしっかり身についているかの確認。言わずもがな、成績に直結するテストなので、自然、力も入る。これまでもお伝えしてきたが、ここ一週間の放課後20時までの自習室は大盛況。毎日100名以上、日によっては約200名の生徒が一生懸命自習に励んでいる。その後ろ姿はやる気に満ち溢れている。
さて、生徒たちがテストに対してどういう意識で臨んでいるかというと、やはりその一言目は「ヤバいです・・・」。100点が取れそうで「ヤバい」のか、勉強が足りないから「ヤバい」のかは一目瞭然だが、感覚では3人に2人は「ヤバい」という。
ただ、今朝の登校時は、表情を見る限り、エネルギッシュで、「勉強しました!」と少々の自信も垣間見える。安心と期待の高津生だ。
その一方で、気になったのは、近くの真田山小学校に通う1年生のH君。いつもより5分ほど遅く正門付近にやってきたが、いつもの小学校の帽子もかぶっていない。いつも通り「おはようございます」と言ってくれるがやはり元気がない。「おはよう!帽子はどした?」「忘れた」「忘れた?珍しい」「今日は遅刻する。もう間に合わへん」時計を見ると8時23分、「何時に始まるん?8時半か?」頷く彼。「まだ、頑張ったら間に合うやん、頑張って行き。慌てたら危ないから、ゆっくり急ぎや。」と訳のわからぬ昭和親父の言うことに、「うん、わかった」と応えて進み始めた。見ると、私の言った通り、ゆっくり急いでいる。理解力のある本当にいい子だ。
彼とは夏休み前からの付き合い。正門前での挨拶から始まり、プールの日は楽しいと笑顔で話し、暑い日は汗をかきかき、重いランドセルを背負っている。今日が最後のプールの授業だという時は、いつもより3分ほど彼の寂しい思いを語ってくれた。でもその翌日、「今日は近所のスイミングに行くので嬉しい」とも語るユーモアある子でもある。そして、「10年後、ここ(高津)においでや!」と言うと、照れ笑いする実に素直な子である。
高津生だけでなく、明星の生徒や小学生とも仲良くなれる。朝は出会いの宝庫だと一人ほくそ笑む昭和ゴリラであった。高津生よ、この素直な後輩のために、君たちが輝いている姿をみせてくれ!Make it Kozy!大きな虹を架けよう、高津生!
小さくも 高津の未来 拓く人
9月18日(水)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.126~読書のすすめ~
今朝の新聞に、「読書 月ゼロ冊」6割、という大きな見出しがあった。読書離れ、活字離れが久しく叫ばれていたが、ついにここまで来たか…という感じである。
学校図書館には、教育課程上、学習に必要または有効な教科や科目に活用できる図書や、知識や教養を身につけるための本、大学受験に生きる本の他、詩や小説など、人間を知る本など、高校生が読むべき、あるいは、読んでほしいものを棚に並べている。が、実は、私たちが想像する以上に、今の生徒たちは本を読んでいない。というか、これは今の大人も同じで「読む人」と「読まない人」の二極化が激しいのだ。
「なぜ働くと本が読めなくなるのか」(三宅香帆著)では、現代日本の働き方にあまりにも余裕がなく、本を読む時間がないということ、ピンポイントで得られるネットの情報に比べて、読書からの情報には「ノイズ(偶然性)」があるので、現代人はネットに頼るという。
かくいう私自身も、忙し過ぎて、読書量は格段に減っている。ふと、部屋の本棚に読まずに眠っている本を見て、なぜこの数冊に手がつけられないのだろうと思う瞬間があり、これはアカンとそのうちの一冊を鞄に入れる。
年代や内容は異なるが、それは高津生も同じであろう。高いレベルで大学進学をめざす現実と、高津高校でしか経験できない体験学習や部活動との両立から、目の前の課題に取り組むことに時間がとられて「本を読む時間などありませんよ!」と怒られそうだが、それでもせっかくすぐ近くに無料で借りられる本が山ほどあるのだから、自習ついでにでもいいから、図書館に寄って、そこで少しでも興味あるタイトルの本を借りれば良いと思う。だが、実際は読書というものは、短い時間にむさぼるように読むものではなく、余裕のある時間にゆったりと言葉の文化を味わうものなので、急いで読もうとしていること自体がある意味仕事の延長になってしまうので、そういう意味では、本来の『読書』とはかけ離れたものになってしまう。
とはいうものの、SNSで他人事にしょーもない内容を書き込む時間があるなら、ちょっとは作家の美しい言葉や人を優しくするフレーズに触れればいいのにと心底思う今日この頃である。高津生、うちの図書館には、めっぽう1冊の値段が高くなった最新の本がたくさんある。ぜひ、1冊手にとってページをめくってみよう!さらに、自分のことは棚に上げて言う。Make it Kozy!心に余裕を持って、高津生!
すぐそこに 読まな損損 あれやこれやと
9月17日(火)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.125~されど、中秋~
本日は、午後に出張を控えていたので、午前に3時間の授業見学。1時間目は「音楽」。楽器「三線」を学ぶ。自慢じゃないが、楽器はさっぱり。先日、楽器を弾けるのは羨ましいと言ったが、あらためてそう思う。失礼だが、私のような外見的に弾けそうにない人ほど、華麗に弾いたときのギャップが魅力となるので、あわよくばそういうシーンを夢見たこともあるが、果たしてこれまで成功した試しがない。中学時代にいとこからギターを譲ってもらったが、すでに野球に没頭していたため、部屋の飾りに収まった。
今日は、生徒たちも三線を触るのは2回目ということで、「先生もよかったらどうぞ!」と渡された三線を、調子に乗って弾こうとしたのが間違い。ギターやウクレレよりも弦の数は3本と少ないので何とかなるだろうと、担当の先生の指導にしたがって触れども触れども音が上手く響かない。音楽教室が少々気まずい空気になり、前の席の男子生徒が「先生、一緒にやりましょ!」と声をかけてくれる。しばらく練習するが、もう一つ音が伸びない。いよいよ放り出そうかと思ったが、その男子生徒に教えられるまま試すと、何とか音が出るようになった。その後、配付された課題曲は、「ざわわ~、ざわわ~♪」の『さとうきび畑』。将来的に弾けるかも?と希望の残るチャイムだった。
続いては、「歴史総合」。世界史だが、実は、私の高校時代は選択科目の一つだったので、「世界史」は未履修。ついでに言うと、理科の「物理」「地学」も未履修で、今から思うと???な話。電子黒板には資料や写真や図が示され、視覚的にも分かりやすい。おまけに生徒を当てる『ガラガラ抽選機能』も備わっている。チャッチャッチャーン!という効果音とともに出席番号が表示される。はい、と手を上げて回答する。当たると嫌なはずが何か楽しい。
「数学演習」は、問題の正解を全員で共有した後、『別解』を考察する。正解は一つだが、解法は様々。どの視点でどの解法を得るかは自分の知の蓄積。複数の解法を知っていることで難問への対応に余裕ができる。
教員の個性も様々。授業のカタチも様々。私の高校時代の「日本史」の先生は、50分授業で細かい字でみっちり2回、年表を書きながら一人で喋っていたので、こちらも50分間必死で説明を聞きながら黒板を写していた。一貫した授業形態に生徒一同呆れつつもその豊富な知識に脱帽した。昭和の教員も個性的であった。
日々の授業をどう学ぶかは、自分次第。また、学校というところは、人付き合いを学ぶところでもある。Make it Kozy!日々、多様性を味わおう、高津生!
本日は帰宅途中に、台湾の友人(前任の姉妹校のPTAの方)から、「中秋節 快樂!」とLNEがあった。思わず空を見上げると、そこには見事な満月が。おかげで、一瞬だが、秋を感じることができた。さて、押し入れで眠っているウクレレでも引っ張り出すか・・・。
中秋を 忘れるなかれ 真夏日の 友のLINEと 月が囁く








