12月21日(土)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.187~科学で交流~
本日は、午前が科学実験講座、午後が中学生研究発表会の2本立て。昔はリバイバル映画の2本立てがあちこちで上映されていて、800円で見られる映画館もあった。小銭を握りしめてよく見に行ったものだ・・・と懐かしの余談はさておき、今回は小中学生が参加する科学実験と、中学生が日頃の研究の成果を発表するイベントで、手前味噌だが、皆が成長する素晴らしい機会だと自負している。
科学実験講座は、12月7日(土)に続いての第2回。今日も、我が科学部の猛者たちが、小中学生に科学の楽しさを伝えようと熱く待ち構えている。保護者の方々も、高津生に興味津々で、高校進路選択の話や学力の話を高津生と語り合っておられる。高津高校の教育の一端に触れていただければ、それもありがたい。
実験は「缶サット」。「缶サット」とは、「空き缶」の「Satellite(サテライト、人工衛星)」という意味。ロケットを打ち上げた後、パラシュートをつけた「缶サット」が無事に着陸するまでを競う大会もある。本日は、火薬での打ち上げは不可のため、パラシュートを製作し、体育館の2階ギャラリーから落とす。着陸までの時間(3秒に設定し、3秒に近い方が高得点)、着陸時の状態(立っているか否か)、着陸と同時に風船が割れるか否か(割れれば高得点)で競い合う。
参加した子供たちは、担当の科学部員のアドバイスを受けながら、様々な工夫を凝らす。その作業に集中する目はキラキラして、実に美しい。その好奇心や学びに向かう気持ちを持ち続けてほしいと思う。途中、体育館で試行し、時間や立ち方を確認、工夫を重ねる。いざ、本番。緊張しながらも、自分で作った「缶サット」の出来栄えに自信や不安が覗く。成功も失敗もあるが、それも今の自分。今日の気づきを次に活かしてほしい。数日前に、串本中でロケット「カイロス」が見事に発射。が、数分後には、達成困難のため、飛行中断措置を選択。誠に残念だが、町の方々は、発射できたことに「感動をもらった」「何度でも挑戦してほしい」「最後に成功すれば、今回も失敗とは言わない」と、自分たちの夢である、と笑顔で応援していた。
午後の中学生の研究発表会は、本校すぐ近くの高津中学校をはじめ、大阪北部から摂津第一中学校、南部からは信太中学校、そして私立の金光大阪中学校、四天王寺高校の5つの中高が参加してくれた。摂津第一中学校からは、11の発表。各校それぞれレベルの高い研究で、高校の探究活動に匹敵する内容。参加校の生徒たちも高津生も、お互いに十分刺激を受けたようである。自分たちだけの研究は自己満足に終わることもあるため、他者に発表してどれだけ理解してくれるか、納得してくれるかが大切で、発表の仕方も学べたと思う。
参加者の皆さん、年末のあわただしい時期、とても寒い時期に、高津高校にお越しいただき、」ありがとうございました。皆さんの、その好奇心や探究心、さらに深く学ぼうという意欲が、今後ますます高まることを期待しつつ、その学びを実現できる高津高校に入学してくれれば実に嬉しいことである。今日の刺激を明日の糧に頑張ってください!
高津高校科学部員たちも、終日ありがとう!教えることの難しさ、学び続ける大切さを実感したと思う。校是「日新日進」をあらためて認識して、謙虚に取り組もう。Make it Kozy!頑張れ、高津生!
探究の ヒントはいつも すぐそばに
12月19日(木)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.186~芸術の「冬」~
しんしんと・・・という表現がぴったりくる冷たさがしみる本日、毎年恒例の「芸術文化発表会」が開催された。体育館では、1年生の「音楽」選択者による合唱をはじめ、アンサンブル部の演奏とともにセリフや独唱で贈るミュージカル「レ・ミゼラブル」に、ピアノの独奏、最後はアンサンブル部と吹奏楽部のコラボによる、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」。それぞれ授業や放課後の一生懸命な練習が伝わるコンサートとなった。なかでも、独唱や独奏は、大勢の観客の前で緊張するだろうし、合唱のピアノ伴奏も緊張したと思う。
それでも、小さい頃から培った腕の見せどころとして、立派に力を発揮したと思う。合唱も、米津玄師の「地球儀」に、Mrs.GREEN APPLEの「僕のこと」と、結構難しい選曲にも関わらず、適度な大きさの声とハモリで心に伝わった。合唱の最後は、高津高校の校歌「朝霧」。日頃、歌う機会も少なく、もっと歌ってほしいというのが、私の想い。今日は、特に心を込めて歌ってくれたので、感謝。涙腺も少々緩んでしまった。保護者の方もたくさん来られて、静かに耳を傾けておられた。舞台のお子さんまでの距離は相当あったが、しっかりと美しい歌声や演奏を受け取っていただいたと思う。
さて、芸術は「音楽」ばかりではない。科目としては、「書道」「美術」がある。それぞれの選択生徒による作品も校舎内に丁寧に見やすく展示。
「書道」は、「自分自身の言葉を書く」。今の気持ちを素直に書いたものや、思いがけない発想もある。誰が書いたかは定かではないが、「受容すべきは一時の後悔、回避すべきは一生の後悔」とある。つい、ふむふむと頷いてしまう。「気が付けばもう冬 明日からは本気出す」・・・、今日からね。「私の最大の敵 とまらない物欲」・・・味方につけたら最強だ。
「美術」の展示もデッサンに水彩、ポスターもある。なかでお個人的に気に入ったのが、「WARMING!」(写真あり)。「警告!」と「地球温暖化」とをかけて実にうまく整っている。デザインとの相性も良い。先の「書道」の3名と合わせて、書いた(描いた)生徒は、もしこのブログを読んでいたら、ぜひ私に名乗り出てほしい。キットカットを一つあげる(せこいな、汗)。
・・・と、生徒のことを考えていたら、校長室をノックする音。一人の生徒が顔を出し、「すみません、どこから出たらいいんですか?」と聞く。そう、高津高校は、夜になってある時間が過ぎると、外からの侵入を防ぐため、内側からしか校舎を出られない。それも、1階は、鍵がないと内側からも出られないのだ。それを知らぬ生徒が迷うのも道理。「こっちおいで!」と脇の扉を開ける。「勉強はどうや?」と聞くと、「DDがヤバいです」と言う。「DD」とは「ディベートディスカッション」の略。生徒にとっては、実践的な英語はやはりハードルが高いようだ。「寒いし、暗いから気ぃつけや!」と送り出す。「はい」と素朴な優しい声で「さようなら」と言う。
実に寒い一日だったが、最後まで生徒の温かさに触れた、充実した一日だった。Make it Kozy!やるときゃやるよ、高津生!
生徒らの 熱気はある種 防寒着
余談だが、最近、家のPCの調子が悪く、その日付でブログを更新できないことが多い(謝)。今日は自習室当番ということもあり、本日中に更新できた・・・なぜか不思議な達成感(笑)。
12月18日(水)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.185~10年前の自分へ~
本日は、月1回の「クリエイトラボ・セミナー」。本校同窓会のご協力を得て、ご活躍されている先輩方のお話を聴き、自らの学びとする。18時15分開始にも関わらず、いつも30~60名の生徒が参加している。同窓会の皆様には、誠に感謝するばかりである。
本日の講師は、高校64期の村上雅哉氏。ご本人曰く、紆余曲折しての今年、合同会社「彼方此方(あちこち)」を設立された。本校教員にも同級生が2名して、セミナーに同席していた。学生時代は部活動の部長や生徒会長を務められたこともあるそうで、これも本人曰く、「あまり上手くはなかったけれど、先生や友人に勧められた」とのこと。やはり、その謙虚さが大切だと感じる。
テーマは、「10年前の自分へ」。もともと理系を学び、大学もコンピューター系の学部に入学し、博士まで取得されたが、そのうえで、(やっぱり違うな)と、そこからベンチャー企業に就職されたとのこと。そこで開発したアプリが10億もダウンロードされたこともあり、ビジネスへの関心が生まれ、現在に至るとのことである。なかでも後悔されているのは「公認会計士」の資格を取っていればよかったということだが、高津生に真に伝えたいことは「自分の選択を、正解に変える!」ということ。まさに同感、である。
そのような十数年の紆余曲折を通して、10年前の自分に向けて、そして、今からその10年を選択できる高津生に向けて、熱く語っていただいた。生徒は、そんな近しい先輩の話に何を思うのか。今からの選択に変化は訪れるのか。彼らの心のざわつきが実に楽しみである。Make it Kozy!刺激大歓迎、迷って当然、想像からの創造、高津生!
後悔は 先に立たずと 言うけれど わからぬからこそ 人生楽し
人生すでに60年。私自身、これまでその時々の自分の頭で懸命に出した結論なので、失敗はあるが、後悔はない。いつに戻れたとしても、当時の私には同じ選択しかできないなと、数々の失敗も含めてそう思う。