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7月17日(水)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.83~学習状況リサーチ2年生編~

 本日も、昨日の3年生に続き、学習状況リサーチ結果から見る2年生の傾向を。

 最初に目だったのが、「職業や大学で学びたい分野の研究」についての質問で、「自分で調べ、先生や周囲の人に相談した」が25.6%、「自分で本やインターネットなどで調べた」が42.0%と、まずは「自分で調べる」と回答した割合が67.6%もある。実は、これは、GLHS10校の中で2位の59.5%を大きく上回るダントツの1位であり、10校の平均が54.6%であることを考えると、まずは自分で進路の選択肢を主体的に知ろうとする意志、そして切り開こうとする開拓性に長けている証であり、主体的な進路実現の前提となり得る条件として歓迎する。

 これは実は、進路決定についての保護者の受け止め方とも関連性があり、「保護者から任されている」「保護者とほとんど話し合ったことがない」の割合が高く、いい意味で放任主義、生徒の自覚に任されている点がる。これは、高津高校の校風である『自由と創造』に立ち帰れば、ある意味納得すべき結果であるといえる。

 教科別の学習傾向を見ると、国語・数学・英語それぞれの「学習上の悩み」という項目で、「計画を実行できない、または長続きしない」が、国語25.9%、数学27.3%、英語31.5%と、少し思ったように学習できていない生徒がいるようだ。2年生は迷う時期ではあるが、そのままにはしておかず、今一度、担任や教科担当の先生に相談し、現時点で学習の方向性を確認した方が良い。改善するなら速い方が良い。

 少し気になるのが、国語の「論理的文章」について、「論の展開に注意」したり、「接続後や具体・抽象に注意」したりする割合が低いこと。文章全体の主旨を捉えるには、展開に注意することは大事だし、接続後は単なる単語ではなく、論理的な流れを把握するための重要ポイントである。「具体・抽象」の考え方にいたっては、本筋と事例という筆者の主張を理解するのに必須である。この点は確かにテクニックとして意識して身につけるべきものではあるが、やはり読書量と比例する。普段から分掌に接し、ものの考え方、自分の脳の動きをコントロールする習慣を持ちたい。英文も現代文も読み慣れておくことが大切であり、一定の数をこなさなければ、いくら先生の説明で理解した気になっても、自力で解くというレベルには至らない。まだ、2年生であることを踏まえ、新聞や本を『読む』習慣をつけたい。

 また、古文においては、常に「誰の誰に対するセリフか」「誰の誰に対する行動か」を考えることが大事であるが、実際の古文では『主語』が省略されていることが多い。だから、古文の問題を解くには、その省略された『主語』を類推することが重要になるのだが、2年生は「主語の省略を述語から類推する」の回答率が低い。これでは、せっかくの丁寧な勉強も肝心の『主語』がわからぬことで理解が留まる可能性がある。ぜひぜひ『主語』の類推を意識して文章を読み進めてもらいたい。

 数学については、3年生と同じく「予習をする」割合が少ないのもあるが、気になるのは、「わかりやすく伝えるために図や表を使う」や「問題を解くとき図やグラフをかいて考える」の回答率が低い。頭でわかっていると高を括って視覚的な確認を怠ると、誤った思い込みに流されてしまうこともある。試験の後で、誤った問題をわかるまで理解する「しぶとさ」「粘り強さ」が高津生の強みであるのだから、その前倒しで、いざ問題を解く際の「丁寧さ」「確実性」を意識すればかなり正解率も高まるのではないか。

 最後に、英語だが、これも予習の少なさが目立つ。他校においても、英語の予習はそれほど重きが置かれていないのが実情。ただ、現状として、英検やTOEFL、TOEICなど、一定以上の会話力、表現力を身につけている生徒も多く、この数字だけを見て語るのも正確ではない。高校入試においても、英検取得が「英語」の学力検査の点数に直接結びつく。素人の私から言えば、会話力>筆記力だと思うが、コミュニケーション力も含めた人間力がそのまま筆記試験には現れないところが皮肉ではある。

 ごちゃごちゃと能書きを垂れたが、生徒には、何よりしっかりと己を見つめ、得意・不得意、長所・短所を理解して、伸びない科目については、何か変化を試すことだ。すぐには結果は出ないが、何か気づくことがあるはずだ。過去の自分を見直すのも良し。人に聞くのも良し。若さは底のない資源。その限りない資源を、日々目いっぱい使うように。Make it Kozy!頑張れ、高津生!

  後悔は 先に立たずと 前倒し

 さて、今日は長くなるが、もう1件。

 本日、高津高校硬式野球部が初戦(2回戦)をコールド勝ちで突破した。応援には行けなかったが、部員たちはさぞ嬉しかっただろう。勢いに乗って、次戦も勝ち進んでほしい。

 と、この話題も嬉しいが、今日は、もう一つネットで嬉しいニュースを拝見した。奈良県の高校野球大会で、女子記録員(マネージャー)がノッカーとして出場したという。野球に限らず、マネージャーというのは、チームのために一生懸命頑張っているのだが、普段はなかなか日の目を浴びないポジション。最後の大会で、部員たちからのお礼に涙するシーンは目にするが、そのマネージャーがノッカーとして、選手たちにノックをして、試合には負けたが、ノーエラーだったというのだ。

 私も高校野球の監督を20年ほどしたが、その中で女子部員が1名いた。中学校ではバレーボール経験者で、ルール上公式戦に出られないにも関わらず、毎日休まず練習に来ていた。練習の成果として、練習試合でクリーンヒットを打った際はハイタッチして喜んだものだ。ただ、ルールの壁を越えられず、結果として、1年生の終わりにバレーボール部に転部したが、本日のニュースを見て、その生徒を思い出した。女子のボールボーイ(ノックの補助員)さえも禁止されていた時代を考えると、歓迎すべき令和だなと嬉しくなった。この女子マネージャーも試合に出られないにも関わらず、自分のやりたいことを貫き通して、忘れられない経験になったと思う。時代は変わる。想いは強く、自分らしく!天晴れ、高校生!

  3年間 今しかできない 時を生く

2024.07.17

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