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9月26日(水)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.131~負けてたまるか~

 スマホをいじりながら、おそらく極々狭い視界しかない世界に集中しながら歩いてくる。こんな時、皆さんは、どうされるか?私は、場合によるが、肩が触れそうで触れない位置ですれ違うようにして、相手が私に気づき、ハッとなるのを待つ。例えば、大きな声で「コラッ!!」と一喝するのもありと言えばありだが、相手が驚いた拍子に線路に落ちても困るし、逆切れされて大きなトラブルになるのも困る。それでも、申し訳ないが、歩きスマホは危険だよということはわかっていただきたいので、いわゆる『ヒヤリハット』を経験させてあげる。もしかすると、私のような紳士ではなく、少々柄の悪い方にわざとぶつかられるかもしれないし、いきなりスマホを叩かれて落とすかもしれない。いやいや、そんなことはないだろうと思う向きもあるかもしれないが、事実、歩きスマホをめぐるトラブルを目にしたことは一度や二度ではない。それぐらい、歩きスマホは怖いのである。

 では、自宅でスマホをいじるのは大丈夫かというと、そうでもない。こども家庭庁の令和5年度調査によると、高校生の平日のインターネット利用時間が1日当たり平均6時間を超えている(6時間14分)そうである。平日となると、学校の授業が6時間に部活動が2時間、通学時間が片道1時間とし往復2時間、朝食、昼食、夕食で約2時間、入浴30分に、一応、友人と喋る時間を1時間として、合計13時間半となる。そこに、スマホ使用の6時間を足すと、合計19時間半となる。その場合、寝つきがよい高校生でも、睡眠時間は4時間半、寝つきが悪い生徒は4時間に満たない計算になる。そのうえ、毎日睡眠不足でぼーっとして集中できず、授業中は居眠り、課題は後回し。それでもスマホ依存で、これだけはやめられない。睡眠不足や毎日の疲れが溜り、体調を崩す。そんな状況になっても、なぜか、自分だけは大丈夫だ、とスマホをいじり続けて、ドツボにはまる。一度下がった成績は元に戻すこともできず、その焦りが今度はストレスになり、さらにスマホを使用する時間が増える。すでにアルコール中毒ならぬ「スマホ中毒(スマ中)」になった彼に以前のオーラはない。ゆえに、まっこと、スマホは怖いのである。

 本校調査においても、7時間超、11時間超の生徒がいるなど、そういう状況に陥りそうな空気を察して、特に79期生(1年生)の学年集会を行い、学年主任より「スマホ緊急事態宣言」を発出した(生徒には「学年通信」も配付した)。さきほど述べたような状態は、決して冗談やフィクションではなく、スマホの使い過ぎは、明らかに脳に悪い影響を与える。まずは、1日2時間以内に減らすことを生徒たちに訴えたが、本気で取り組まないとクリアできない。

 また、スマホの使用時間が増えることで、活字に触れる時間は確実に減る。9月18日のブログにも書いたが、読書量の現象は、スマホの普及の影響であることは明らかであり、スマホの時間の何分の1かを読書に充てることで、小中高生の脳は劇的に変わるはずである。

 高津生よ、1年生だけではなく、2年生、3年生も、ぜひぜひ、スマホの使用時間を減らそう!え?大人も同じやんって⁉その通り、大人も同じである。電車内で、席に着いた瞬間から到着駅で下りるまで、必死に指を動かし続けている大人も同じだ。しかし、君たちと大人とで決定的な違いは、人生の時間と未来の可能性だ。言い過ぎを承知で言うと、スマホの時間で、君たちの人生は明らかに変わる。

 逆に、その大人たちが、昭和の懐メロ特集を聴いて涙するのは、その曲の背景にあるスマホのない社会を思い出すからである。瞬時に用が足りる、事が済む今の社会にはない、簡単には連絡が取れず、何事にもタイムラグが生じる。そんな中、人とのつながりも、言葉の大切さも、ある程度の時間や適切な間(ま)が生み出すという体験をし、それを十分に理解しているのである。

 君たちは、その社会を知る由もないが、確実に自分自身が選択できる「未来」はある。その「未来」をどう創るかは、日常をどう生きるかにかかっている。君たちという尊い人間が、たかがスマホに操られてはいけない。Make it Kozy!戻せぬ時間を大切に、高津生!

  我が未来 スマホごときに 邪魔させぬ

2024.09.26

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