11月28日(木)校長ブログ「Make it Kozy!」vol.171~「銭湯」徒然~
今朝、朝の正門で生徒に聞く限り、昨日の考査の出来は悪くないようだ。皆、しっかりと勉強して持てる力を発揮できているようで安心する。
さて、昨日は東京で用事を済ませた後、少し時間があったので、ふと銭湯に行こうと思い立った。ネットで近くの銭湯を探すと、丸の内から歩いて10分ほどに「銀座湯」といううってつけの銭湯がある。
ワクワクしながら、向かうと、看板は光っているが、入口がない?そんなはずはないと、ちらと側面を覗くと入口がある。「男湯」と書いてある扉を開けて、入浴料550円(しばらく大阪の銭湯も利用していないが520円?)を番台に置く。入口が狭いなとおもっていたら、すぐに階段があり、2階に上がると男湯がある。おそらくだが、フロアの広さから考えると1階が女湯になっているようだ。
入ると、懐かしい「ケロリン桶」が積み重なって、黄色の存在感を示している。その一つを手に取り、右の赤のお湯の蛇口を押す。が、想像より温い。左の青の水の蛇口が必要ないほどの温さ。まぁ、両手を使わずに桶にお湯をためられるので、それはそれでありがたい。
身体を洗い終わって、さて、湯船に浸かろうと向かうが、何やら違和感を感ずる。その正体は何ぞやと思って、後で調べるとそれは湯船の位置。大阪の銭湯は湯船が真ん中にあり、東京の銭湯は湯船が奥にある。諸説あるらしいが、大阪は先にかかり湯をして湯船に使ってからあらためて身体を洗う。東京は先に身体を洗ってから湯船に浸かるという説が有力らしい。そういえば、以前、東京の銭湯を利用した時に、湯船付近に「かかり湯禁止」の札がかかっていて、禁止ってどういうこと?と疑問に思ったことを思い出した。要は、かかり湯程度で湯船に入るな、ということなのだ。
考え方は人それぞれなので個人的な主張は置くが、実際、普段よく利用する自宅近くのスーパー銭湯では、ほぼ全員が入ってすぐにかかり湯をして湯船に浸かっている。なんなら、湯船の手前に「かかり湯」用の湯溜まりがあるのだから、どちらかといえば「かかり湯」を推奨している。
これらは後からわかったことだが、いざ湯船に浸かると何ともお湯が熱い。さきほどの蛇口から出たお湯とは比べ物にならぬ。が、銭湯に来た目的は決して身体を清めることではなく、ゆっくり湯船に浸かることであるので、すぐに出るわけにはいかない。出たら”負け”である。
そんなしょーもない意地を張りつつしばらく浸かっていると、一人の男性がその湯の熱さに身体を浸けることができず、繰り返し、何度も手で湯をすくっては身体にかけている。少し慣れたのか、足を少しずつつけたのち、次は腰までと挑戦を繰り返す。地元の人ではなさそうなので話しかけようかと思ったが、時すでに遅し。その男性は耐えきれず、風呂場を出て行った。
十分に目的を達成した私がしばらくして出ると、その男性が地元の方と何やら会話している。実はその男性は中国人らしく、3分20円のドライヤーを使いたいが、50円玉しかない様子。私はすかさず、20円で外国の方を救えるなら、と横から小銭を機械に入れる。「アリガトウゴザイマス」と言って、ドライヤーを使う彼。どう見ても私と同じようなスポーツ刈りなので(ドライヤーいらないのでは?)と思いつつも、せっかくなので拙い英語で話しかける。聞くと36歳。彼女と旅行に来て、昨日まで大阪、今日は東京を観光、明日には福岡へ立つという。話の途中、急に慌てて1階に降りる彼。着替えた私も降りると、先に階段を降りた優しい彼が彼女のためにタオルを購入して、番台のおかみさんに「渡してほしい」と言っている。おかみさんは「彼女は自分で買ったよ」と言っているのだが、彼には通じていないらしい。私が彼に説明すると、オー!と言って安心したようだ。結局、彼と一緒に出ることになり、彼から「一緒にタバコはどうですか?」と聞かれたが、私は吸わないのでそのまま「See you!」と言って別れた。
単なる思い付きの銭湯だったが、思いがけぬ楽しい時間となった。今は、高津生の何人がスーパーではない銭湯へ行ったことがあるだろうか。スーパーも良いが、老舗も良いぞ。人生深く、楽しく。Make it Kozy!出会い最高、高津生!
ふいに知る 江戸・上方の お湯事情